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週刊ブルシット・ジョブ アワード(2021.2)

このアワードは、蟹ヶ谷くらぶがインターネット上で観測して、ジョブがとてもシットだなー、と思った出来事を記録していく企画です。
デヴィッド・グレーバー先生のブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論とは、ブルシット・ジョブの範囲が被ったりそうでなかったりしますのであしからず。



今週のアワードは以下のとおりです。おめでとうございます。


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金賞: 令和の時代に街頭に立って新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛を呼びかける仕事 [東京都ほか]

偉い誰かが言い出したのでしょうか?

街頭での呼びかけ、という効果があるかどうかわからない仕事に、他にも仕事があるであろう生身の人間を"外出させて"引っ張り出している点、発案者は自治体職員が「汗をかいている」姿を見せることでイメージアップを狙ういやらしい意図があるのだろうなーと推測できる点が高評価でした。

また、奇しくも今の渋谷には、明治食品の受験生応援の広告があり、「墾田永年私財法の宣伝のようだ」とプチバズしたことも評価を押し上げました。

news.yahoo.co.jp


グレーバー氏の5種類の類型分類*1:「①取り巻き」「⑤タスクマスター」





銀賞: 部下の職務を把握していないばかりか、社会人としての覚悟を説教することが自分の仕事だと勘違いしているある管理職

ひとり情シス時代、責任感と社員からの「ありがとう」だけで10年以上やってきた。子供の卒園式に休みたいゆうたら、システムノータッチの上司に会議室に呼ばれて説教された。心折れた。







銅賞: 生活保護申請者の「扶養照会」をする窓口担当者の仕事 [いろんな自治体]

支援団体が国に署名提出

 生活保護の申請時に親族に問い合わせる「扶養照会」が生活保護の申請をためらわせる要因になっているとして8日、支援団体が運用の見直しを求める3万5806人分のインターネット署名を厚生労働省に提出し、要請しました。

 「扶養照会」は、自治体の福祉事務所が申請者の親や配偶者、きょうだい、孫などに援助ができるかどうかを問い合わせるもの。申請者本人の承諾なしに行う福祉事務所があり、DV(家庭内などの暴力)被害で逃れた人が加害者に居場所を知られてしまうなど問題になっています。

生活保護 「扶養照会」やめて/支援団体が国に署名提出


手続き上必要なことなのだから、ブルシットとは言えないのでは、と思われる方もいるかもしれませんが、兄弟姉妹・祖父母・孫から3親等まで「扶養義務」なのは日本の制度の特殊性らしく。制度が改正されればなくなる仕事です。


本当に理に叶い義に叶っているとは言えない制度下のもとで、目の前の人を「救わない」ための仕事。これは相当担当者の「魂をすり減らす」んだろうなーということが想像の余地にかたくなかったので受賞です。おめでとうございます。


以下は、今回は残念ながら受賞を逃したみなさんと色々アンチ労働的な話題です。

anond.hatelabo.jp


マジでそう。