ルックバック感想とかまとめ(ネタバレ有)
7/19 AM2時に読んでから40時間あまりか、ずっと刺さったトゲをさするようにルックバックのことばかり思い出している。
まあ、抜群に面白い。
ルックバック読んだ人、だいたいこれになってる。 pic.twitter.com/EhK5siWwN0
— 町田メガネ (@machidamegane) 2021年7月19日
むちゃくちゃいろいろ仕掛けられているのに、仕掛けに気づかなくても読めるしストーリーも面白いし、感情をぶらんぶらん揺さぶられて戻ってこれなくなる。
漫画で表現されていて、ある意味完成しているものを文章にしちゃうなんて野暮もいいとこ、無粋オブ無粋なんだけど、なんでここまで刺さったのかとか、感想書きたい。っていうかこれ読んで黙ってられます?
漫画クソウマ太郎に改名してほしい。
漫画や絵の表現の話は正直あまりわからないと、はい予防線は張った、ヨシ。わからないが、ストーリー運びと表現に無駄がなさすぎてコワイ。140ページがなんでこんなにスルスル"入る"のかという感想があったが、カット割りから人物の写し方、背景にもいちいち意味(情報)がある(そしてそのコマの役割がどうとか思う間もなく飲み込ませられてしまう)。
まさに映画のよう、というかそのまま実写シナリオにできそう(したい)、というか。話を咀嚼するのにストレスがない。チェンソーマンでも思ったけど、読者の体感時間さえも操っている感じがある。作中時間の経過がちゃんと伝わるし、「転」の局面、つまり、驚いたり悲しみにくれたり、とても大きい感情を感じるときは時間がゆっくり経過するように感じられるが、その「作中の人物の体感時間」が読者に伝わる。読んでた時間は数分といったところと思うんだけど、物語時間(作中時間ではなく)がちょうど映画1本分だったと感じました。
いや、そんな話どうでもよくて、爽やかだし共感できるし笑えるし泣けるよ。
仕掛けすぎだろ
まずタイトルで何個やってくれてんだ。ルックバックとバックに少なくとも4個入れらてれる。やってんだよなあ。
・振り返る
・背中を見る
・背景をみよ
・追憶(過去を振り返る)
・Oasis の Don't look back in anger (追悼)
ダブルミーニング大好きおじさんなのでルックバック(背中を見ろ)をきれいに回収されて泣いた pic.twitter.com/Af1NKIfvTh
— yehoy (@ktorachief) 2021年7月19日
「背中を見る」にも、読者視点から、机に向かっている藤野の姿、藤野を追いかけていた京本、藤野が京本の背中に書いたサインが含まれている。
「背景」は、作中で藤野が驚いた、京本の絵の技術の高さを示すもの。
チェンソーマンが参照した漫画としてタツキ先生が明言した弐瓶勉先生の漫画スタイル(「背景にまで個性を出せるとしてアシスタントは使っていない」)にもかかっているらしくて……この物語が「参照」している某映像制作会社の作品の大きなウリであること、とか……もうさあ。
ルックバック、やはり pic.twitter.com/Ijngf1T4pa
— 日下公理は🐰🍓🥄🐻🍎担当 (@kusaca_kouri) 2021年7月18日
物事の背景をみよ、というのも入ってるのかもしれない。消費者だと忘れているけどアニメや漫画にも背景を描いている人がいて、生きてて、感情持ってて…みたいな…。
この漫画自体の背景も、時間の経過とか、キャラクターの状況とか感情とかを表現する装置として機能している。
描く事を手伝ってくれた遠山花近さん、愛須冷蔵さん、川勝徳重さん、西田荘さん、瓜生愛美さん、ありがとうございました。
— ながやま こはる (@nagayama_koharu) 2021年7月18日
作中には過去作の背景も出てくるそうです。中にはダンダダンという漫画を描いている先生の背景もあるのでぜひ探してみてください。ありがとうございました。
— ながやま こはる (@nagayama_koharu) 2021年7月18日
やっぱり嘘なんだろうな
一番思った感想としては、Rootportさんの感想のようなことを思った。
何というか、俺は藤本先生の静かな怒りを感じた。世界全体、宇宙全体に対する怒り。理不尽でどうしようもないことが起きることへの怒り。もしも世界が少年マンガのように「こいつを倒せばすべて解決」みたいな単純なものだったら、俺たちはこんなに深い悲しみや悔しさを感じなくても済んだのに。
— Rootport 𝄇 (@rootport) 2021年7月18日
再び机に向かう藤野の背中からは静かな怒りを感じる。
怒りとは、闘うために生物に与えられたものだ。でも一体何と?
このストーリーの最大のキモは、漫画を書くのを止めなかった世界(藤野漫画世界)と、止めちゃった世界(藤野カラテ世界)が、大変秀逸な表現で交差するところだ。いやあ、文章にすると無粋もいいところ。明日死にます。
藤野カラテ世界の解釈は読者に委ねられているのだと思う。
その上で、私はやっぱりこれは、藤野の嘘なんだと思う。いや、嘘というか妄想というか作り話というか、物語というか。
どんなにあり得なかった方の未来を想像しても、それが現実になることはない。どんなに思いを伝えたくても、扉の向こうに行ってしまった存在にそれを伝えることはできない。
どんなに小さな思いであろうと届けることが許されていない。それがたとえ、ペラペラの4コマ漫画の1コマ分の、非常にささやかなものであったとしても。
そういう怒りとか無力さと、それでも描くしかない、というか描く以外にできない。そういうどうしようもなさを感じた。
廊下を埋め尽くすスケッチブックやPC上に重ねられたエナジードリンクの空き缶を重ねるような努力を目の当たりにすると、これは言うのは怖いものがあるんだけど、これはもう創作者に限った悩みではくて、物語を頭の中に存在させてしまえてしまう、私たちの持つ何かの一つなんだと思う。
正直これを読んで何かと戦おうと思うほど、私の自己肯定感は高くはない。
ただ、藤野キョウの背中を見る。
闘う方法
一つは追憶。記憶の中にある美しい瞬間を再生する。
#ルックバック
— 汗人 (@FUPib4fOCmu8pYl) 2021年7月19日
Q.「漫画なんて地味だしキツいし面倒だし、やっとの思いで完成させても上には上がいるし、何も知らない奴らからはこっちのほうがいいだのこれ〇〇のパクりじゃね?とか言われるし、有名になったらなったで悪目立ちして怪物を呼び寄せてしまう。それでも漫画を書くのはなぜ?」
A. pic.twitter.com/E8wIicCxyE
あの日、京本を部屋から出さなければ、私と出会わなければ、どうなっていたんだろう。
京本はそれでも美大に行っていただろう。そのとき私がカラテを続けていたら。
"創作の中"なら、それができる。
"創作"なら、現実とは違う世界を存在させられる。
"創作"なら、現実に一矢でも報いることができるのなら。
それがたとえ、ペラペラの4コマ漫画の1コマ分の、非常にささやかなものであったとしても、届けられるとしたら。
なんで漫画なんて描いてるのか
— Nattou (@Nattou_Pack) 2021年7月18日
藤野はその答えを「ルックバック(背中のサインを見る&過去を思い出す)」ことで取り戻したんだなぁ
作中の4コマのオチにもかかってて天才的...一生読み返し続けたい作品だなと思いました
藤本先生、本当にありがとうございました#ルックバック pic.twitter.com/ypUm2khmqz
以下読み解く参考にさせていただいたツイートほか。
ルックバックで好きなのは人体デッサンの本買った後の4コマ
— ドライさん (@Arai_making) 2021年7月19日
その描き方に準じて線がめちゃ硬くなってる&すごい頑張ってるのにまだ上手くならないのがわかって好きなのだ
筋肉意識しすぎてマッチョになるやつなのだ pic.twitter.com/BM9A1Q6c7b
ルックバック:OasisのDon't Look Back In Anger(2017年のマンチェスターテロ事件のアンセム)ばかりが言及されていて、もっと直球的な意味の「背景を見ろ!」の方(作品の主題および弐瓶勉さんに連なる系譜の方)はあまり言及されていない印象。
— 046 (@karimikarimi) 2021年7月18日
アッッッッ!!!#ルックバック pic.twitter.com/70qtupp5Kh
— 💊雅@せんさや中毒 (@miyabinland) 2021年7月18日
というかルックバックを初見で読んだ時、母なる証明が過ったが、その感想もどうもチラホラ聞こえてきて、、やっぱりそう思われるよね(キムヘジャの最初、最後の踊りのシーン) pic.twitter.com/Yrba2ZQbse
— タロチ (@ethicalbo_ya) 2021年7月19日
ルックバックは悪い癖で台詞ないページをパッパと読んでしまいそうだったけど、『デッドプール:SAMURAI』の「もうめくっちゃったの?」で反省して凝視しました。#ルックバック pic.twitter.com/vmcGiZiLUG
— ラマ🦙Llama (@oh_boy153) 2021年7月19日
でありながら、『ルックバック』はきちんと『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のオマージュをやってますね。>RT pic.twitter.com/q2y8eFeclX
— イワシ (@seko_champloo) 2021年7月18日
すごいな、チープな感想しか出てこないくらいに殴られた
— イーナ (@fineman0805) 2021年7月19日
Oasis意識は前提で
藤野歩は怒るのも悲しむのも許されてるけど藤野キョウは駄目なんだ
Don't look back in anger
At least not today(せめてキョウだけは)
だから書くんだ
ルックバック - 藤本タツキ | 少年ジャンプ+ https://t.co/h5XZSWnpgr
この「積み重ね」を表現する構図が美しすぎて声出た
— Nattou (@Nattou_Pack) 2021年7月18日
#ルックバック pic.twitter.com/JRSp8EDsM7